責任や将来への不安
掲載日:2024年4月10日
最近20代の独身女性とお話をする機会が多いのですが、
結婚は希望しても子供を持つことは希望しないと言うのです。
最初の内は『最近の若者は何を考えているのだろう?』と
苛立ちさえ覚えました。
結婚へ導くご縁を繋ぐ仕事をしている事もありますが、子供を望まない
と言う選択は理解できないと思ったのは、私の中では結婚=子供と言う
意識があった所為でした。
しかし女性達の思いを聞いている内に、次第に私の意識が変わって行きました。
女性が仕事を続ける中で結婚をして家事は夫婦で補えても、出産し子育てを分担
する事は難しい現実が確かにあります。
「そんな事は考え過ぎで実際は何とかなるものだ」と男性や親世代は思っている
のでしょうが、女性達は子育て出来る環境が整わない中で子供を持ちたく無いと
言うのは、子供に対する責任感や将来への不安からだと思うのです。
女性達の話を聞いて、確実に時代は変わったのだと認識しました。
私が結婚した頃は、産休制度はありましたが取得する事を良しとは思われなかった
事から出産予定日の1ヵ月前まで仕事を続け、泣く泣く退職した事で子育て出来る
環境は整い子供を持てました。
そして幼稚園や小学校に行く様になったらまた仕事を始めると言うのが一般的でしたが、
今は産休が容易に取得出来る様になったとはいえ、産休期間が短い中で家事や育児は
女性の頑張りが支えになっていたので『なんとかなった』と言えるのですがそれでも
少子化は止まりませんでした。
少し調べてみると、最近の調査では女性ばかりでなく20代~35歳の男性までも
子供は希望しないと回答しているそうです
さらに結婚自体を希望していない若者も増加しているので、ますます深刻な状況です。
それに反して40代50代男性の多くは子供を望んでいますが、その理由は後継ぎ
として欲しい訳で、若者の様に子供を育てる責任までは考えていない様に感じています。
「子供は残すものではなく、育てるもの」と話すのですが、「もちろん家事も育児も協力
します」とは言うものの時代は変わった事は理解していないので、結婚したら子供が持
てると思っています。
子供を望まない理由は金銭的な問題がある事は確かなので、子育て支援はとても有難い
政策だと思いますが子供を育てられる社会環境を整える事も同時に取り組む必要があると思います。
婚姻数の減少=少子化なのですが、結婚=子供と言う訳には行かないのは、将来に明るい
未来があるとは思えないからなのでしょうね。
時代が変わった事を理解して私の意識を変えましたが、でも私なりの『なんとかなる』は
変わらずに思っています。
結婚する前にお互いにどんな生活をするのかを話し合い、子育ての環境を整える準備と
覚悟を持てば良いのです。
結婚して良かったと思える人と結婚した時には、時代が変わっても自然と二人の子供を
望むと思っています。
その為には幸せな結婚をする事なのです。
長野市民新聞 令和6年4月4日掲載