役目と考えて協力を
掲載日:2016年1月21日
先日「親御さん同士のお見合い」があり、私は講師と運営のサポート役で参加しました。
結婚適齢期の子供を持つ親御さんが、子供の承諾を得て親同士で子供を紹介し合います。
参加した親御さんの子供たちは、男性は20代~30代が多く、女性は殆どが20代で、
いずれも結婚適齢期です。
親もほぼ同世代だったので話し合いも盛り上がり、和やかに情報交換していました。
出会いの場は今はどこでもありますが、婚活している年代は20代~50代と幅広く、
結婚適齢期の20代が同年代と出会うチャンスは少ないのです。
私も子供が20代なので親御さんたちの気持ちがよく分かります。
この年代の子供は、就職超氷河期で就職には苦労しました。
50社落ちるのが当たり前と思って就活していました。
やっとの思いで面接まで進んでも、落とされるのです。
いかに自分をアピールし、希望の会社に就職できるかを、落とされるたびに考えて
必死で頑張っていました。
そんな子供を親は励まし続けました。
そして今度は結婚です。
就職と同様、結婚困難な時代なので、親子とも簡単に結婚相手と出会えるなんて
思っていません。
だから応援できることをしたいーと参加した親御さんたちです。
「なんの取り得もない子ですが、仕事は真面目にやっています」とか「料理は上手ではない
けれど、時間があるときはやらせています」といった会話が聞こえてきて、嬉しくなりました。
そこにはお子さんの結婚を願っての思いがあります。
親子ともに就活で苦労してきたので、夢や理想を追っていたのでは結婚できない事を知っています。
婚活も、最初は自分の理想で臨んでも、なかなか相手には受け入れてもらえない。
結婚出来ない人は、いつまでも理想を求めて自分と向き合わないので、相手の欠点ばかり
指摘したり「自分に合う人はいない」と、人のせいにします。
さらに女性の中には、面接官にでもなったかのように相手を自分目線で判断する人もいます。
しかし、就活や婚活で本当に苦労している人は、自分と向き合い自分のことを分かっているので、
相手に対し自分を表現することを知っているし、何よりも諦めないで頑張る力があります。
早くに結婚が決まる人ほど、失敗や苦労を知っている人なんです。
親御さんは子供任せでは駄目だと感じて、じっとしていられない思いで親としても行動する場を
求めています。
親御さんにも今は簡単に結婚できないことを知ってもらい、協力して欲しいと思いました。
「結婚したくない訳じゃないけど」と言いながら、なかなか行動できない子供と一緒に、
悩んでいるだけでは何も始まりません。
子供を結婚させることが、親の役目と考えれば良いのです。
平成26年2月6日 長野市民新聞掲載