結婚できます『婚活作法』

必要と思われる幸せ

掲載日:2016年1月20日

男女の結婚観に関連して、先日結婚を決めた二人に感動したので、そのことを。

41歳のその女性は、認知症が始まった父親と二人暮らしなので、養子希望ではないが

父親を一人にしないため自分の家で一緒に住んでくれる人を希望しました。

 

母親はすでに亡くなり、姉は県外に嫁いでいます。

女性は仕事をしながら家のことも全てこなしていますが、この先父親の介護や自分の

将来を考えても、結婚はしたいし出来れば子供も欲しいのです。

「そのうちに結婚をと思っていたら、父の認知症がこんなに早く始まるとは思っていなかった。

もっと早く結婚すれば良かったと後悔しています」と、一度は結婚は諦めかけましたが、

私のブログやコラムを読んで勇気を出して相談に来ました。

 

婚活を始めるに当たり、私は「自分の条件に当てはめようとしないこと」、「親は誰でも大切

なのだから、相手の親をまずは大切に思う気持ちを持つこと」とアドバイスしました。

 

明るくてよく笑う家庭的な女性なので、男性から好感を持たれるタイプです。

ちょうど女性が入会したとき、3対3で一人1時間ずつお見合いをする『プチお見合い』があり

ましたので、そこから婚活を始めることにしました。

普通のお見合いは、相手のプロフィールを見て、条件やタイプに合った人と会います。

プチお見合いは、フィーリング重視のお見合いです。

条件やタイプにとらわれずに相手を知ろうとするためのお見合いです。

 

初めて参加したプチお見合いで、彼女は彼に会いました。

男性は44歳で半年ほど早く入会し、お見合いもプチお見合いも何度かしましていましたが、

楽しそうに会話している彼をそのとき始めて見た気がしました。

二人とも、3人の方と会った中で一番気が合ったということで、その後交際が始まりました。

 

彼も母親を亡くし、父親と兄との三人の生活。

兄は結婚しないので、せめて自分は結婚しないと・・・と思い入会しました。

ただ、このとき私は、彼の父親も認知症が始まっているとは聞いていなかったので、交際

から2ヶ月たったころ、「彼女のお父様のことがあるので、大変だけど二人でしっかり話し

合ってね」としか伝えませんでした。

そして結婚が決まったと報告があったときに初めて、彼の父親のことを知りました。

 

お互いに父親しかいないし、二人とも認知症が始まっているので結婚式はしないと言い、

入籍してしばらくは二人だけの生活。

そしてお互いの父親の世話をして、様子を見て彼女が彼の家族と同居するとの話を聞いて

驚きと同時に感動しました。

よく決心しましたね。

しかし二人の表情は晴れ晴れしていて、何があっても大丈夫という二人の強い絆を感じ

ました。

二人で決めて二人で生きていこうとすると、勇気も希望も沸いてくるのですね。

 

この人と結婚したいと思う気持ちから、彼女の結婚の条件が変わったのです。

でもそれは彼の優しさや愛情があったから変えられたのです。

さらに、彼も同じ状況だったから、お互いを理解できたし、どうすればよいのか話し合う

ことができたのです。

 

「自分の親と同居してくれる人」にこだわっていたら、彼は結婚対象者から外れていたで

しょうから、彼に出会うことはなかったし、もしかして彼女は今でも「自分の条件に合う人」

を求めて婚活していたかも知れません。

条件に叶う、理想の人と結婚することが幸せではなく、誰かに愛され、絶対に必要な人

と思われることで幸せを感じるのだと、彼女を見ていて思います。

 

親の面倒を見るために、子供が一生一人で生きる人生を望む親なんていません。

彼女の父親もきっと、自分のことを大事に思ってくれる男性と結婚した娘さんの幸せを、

一番喜んでいると思います。

 

2人が結婚を決めた事は、私自身とても勉強になり、嬉しかったことでした。

結婚の条件や理想を求める前に、まず一番に愛され必要と思われることの喜びを

感じて欲しい。

そういう相手なら、実生活の条件も分かってくれます。

そういう人が本当の理想の人なのです。

 

平成25年9月10日  長野市民新聞掲載

 

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