求められるよう努力
掲載日:2016年8月31日
最近よく営業に来る保健関係の女性たちがいます。
今は全く保健を見直す気持ちはありませんし、何故かいつも来客中の忙しい
時に訪問されるので、事務所入り口でちょっと立ち話をして、お引取り頂いて
いました。
しかし、この間はちょうど空いた時間に来たので、はっきりお断りしようと思い
お話を伺いました。
今までは立ち話をした程度だったので気が付きませんでしたが、事務所での
ご相談する定位置に座ってもらうと「あれ?この子たちは多分結婚していない。
一人は30代半ばで、もう一人は40代だわ」と見えて来てしまいました。
しかし結婚の相談ではないので、早く話を済ませようと、なるべく顔を見ない
様にして話を聞こうとしていました。
すると30代女性が「私たち実は結婚していないのです」と言ったかと思うと
「友達と遊んでいる方が楽しいから、気が付いたらこの年になっちゃいました」と
40代女性が明るく言い放つので、とうとう我慢できずにお説教が始まってしまい
ました。
「だいたい、人様の人生設計を提案する人が、ノープランで生きていて40代に
なっちゃいました~って、どう言うことかしら!」
独身より家庭持ちの方が、保険契約してもらうには圧倒的に良い訳です。
家族の人数分の保険契約が取れる上に、子供がいればそれだけ好条件になります。
でも彼女たちは、自分が勧めている保険の良さを体験していない訳だから、人の経験
談を語るしかないのです。
「それでは厳しい保険セールスの仕事は大変でしょう?」
「はい、いつまで続けれれるか分かりません」と、暗い空気が流れた時にまた年上の
女性から一言。
「独身なんですと言うと、だったらお金をたくさん貯めないと将来大変よと皆さんから
言われるんです」と、暗い空気を一変します。
多分、本人は分かっていないのでしょうが、普通だったらそこで「結婚しなさいよ」と
言われます。
なぜ結婚を勧められないのか。
それは、彼女が結婚に向いていないと思われるのでしょうね。
私も仕事柄、目の前の人が独身と分かると、どんな人が合うのか?会員の方で合う人
はいるのだろうか?と、すぐに頭の中でマッチングするのですが、30代の女性はいくら
でも想像できましたが、40代の彼女の方は20名ぐらいしか思い当たりませんでした。
でも彼女たちの相手への希望を聞くと、30代女性は半数になり、40代女性に至っては
2~3名に激減してしまいます。
それでも彼女たちは、『結婚はしたい」と言うので、それなら男性に求められる女性になる
こと、特に40代女性は、「結婚してあげるではなく、結婚して貰いたいと常に思っている
様に」と話しました。
二人は、「自分が考えていた結婚と全く違っていました。そのうちに何処かで誰かと出会い
があると思っていましたが、結婚するって簡単ではないのですね」
流石に40代女性から、空気を一変する様な発言はありませんでした。
二人は「こんな話は、どこでも聞くことはできなかったので、本当に良かった」と帰って行き
ました。
あれ?保険の営業はしていかなかったけど、良かったのかしら?
平成28年6月2日 長野市民新聞掲載