結婚の必要性考えて

掲載日：2023年3月1日

親御さんから、「子供が結婚する気が無くて困る」と言うご相談が

相変わらず多いです。

いくら子供を育てる環境を整えても少子化は止まりません。

出会いの機会を多く創出したとしても大きな変化は期待出来ません。

問題は結婚する気にならない事なのですが、

『結婚は本人の意思に任せる』

と公言しているのですから解決する訳はありませんね。

結婚する気にならない理由は、

『結婚する必要性を感じない』

『自由で気楽が良い』

と言うのですから、本当に本人の意思に任せても良いのでしょうか？

私事ですが、同居している夫の母が施設に入所する事になり、初めて

介護問題と向かい合いました。

結論から言うと、年を取る事も介護する事もとても大変ですが、誰もが

避けて通れない事です。

義母は８７歳で足は弱くなりましたが、つい数ヶ月前までは好きな様に

生活をしていました。

所が突然身体が動かなくなり、起き上がる事が出来なくなったのです。

いきなり介護問題が生じましたが、ケアマネジャーの方から初めて介護

についての説明を聞くと、なんとも理解できない制度が色々とある事に驚き、

想像を超えて介護するのもされるのもとても厳しい事だと知りました。

義母は運良く施設に入居できる事になりましたが、予想もしていなかった突然

の事だったので、子供達にも協力して貰い助かりました。

この経験から自分たちの老後の事を夫と話し合い、子供達に負担の掛からない

様にする為には、今元気の内にやるべき事が沢山見つかりました。

ただもしも何かあっても家族がいる事がとても心強いと感じました。

しかし、「老後ひとりは厳しいですよ」と、結婚する気が無い人に話してもピン

と来ないでしょうね。

私自身も今まで漠然としか考えていませんでしたから。ただ老後と言うと、

お金の事ばかり心配するのですが、自分の介護の事を想像してみるのも必要だと

思います。

そもそも結婚するとかしないとかを決めなくて良いと思っています。

だって結婚したい相手がいたら、自然と考えるものです。

結婚する必要性を感じないのは、たまたま相手がいないからだと思うのです。

自由で気楽が良いと思っていられるのも今の内だと思います。

婚活を経験して色んな人と出会う中で、自分にとって結婚は必要では無いのかを

考えてみる事です。

結婚したいと思える人と出会う努力はして欲しいと思っています。

令和４年８月４日　　長野市民新聞掲載