親は諦めずに勧めて

掲載日：2020年12月30日

９月になっても真夏日が続き、なかなか秋を感じる事はありませんが、

お盆が過ぎたあたりからご相談が多くなって来ると、私は秋を感じています。

暑い暑いと言っても徐々に日が短くなり、夜には秋の虫の音を聞く様になると、

今年もあと数ヶ月と気持ちが焦る心情はコロナ禍でも変わりません。

最近は特に娘さんの結婚を心配する親御さんからのご相談が増えています。

２０代娘さんの親御さん達からは、

「結婚の話をすると、今は結婚する気が無い！と言われてしまいどうしたら良いのか？」

といったご相談です。

親としては、このままその気になるのを待つ訳にも行きませんので心配ですね。

親御さんによると、娘さんはこれまで誰かと交際していた様子は無いと言う事なので、

あまり恋愛経験の無い人がその気になったからと言って、行き成り結婚相手が見つかる事は

無いと思いますので、その辺も親御さんは心配しています。

そもそも結婚を考えるのは交際相手がいる時なので、自分の意思だけの問題ではありません。

要するに結婚を考える出会いが無かった訳なのですが、どうも自分がその気になれば結婚

出来ると勘違いしている独身者がとても多いのです。

そして

「そろそろ結婚かな？」

とその気になった時には出会いが無いので婚活を始めます。

すると自分が思う様な人と出会えない事や、交際まで発展する事も少ないと知ると、

そこでやっと結婚が難しいと分かるのです。

だから自分の意思はどうであれ、２０代から婚活してみる事を勧めています。

現実を知る事で、結婚を考えるきっかけにもなると思っています。

すると、４０代後半になる娘さんのお母様から相談があった時、親御さん達の参考にして

欲しいと経験談を話されました。

それは、４８歳になった娘さんが

「今頃結婚したくなっても、もう無理だよね」

と、お母さんに寂しそうに話した事です。

娘さんが２０代の頃から親御さんは結婚を勧めていましたが

「その気が無い」

と拒否されていました。

しかし娘さんが３３歳の時に、これが最後のチャンスと意を決して強く結婚を勧めました。

すると

「結婚する気が無いから、私の事はほっといて！」

と、親子関係もぎくしゃくしてしまったので、親御さんは結婚を勧めた事をその時は後悔しました。

それがこの年になって娘さんの気持ちが変わるなんて想像もしていなかったので、

あの時親は諦めないで何か出来る事は無かったのかと、今は親子で後悔しているのです。

「私の周りでも、子供が結婚する気が無いと悩んでいる親御さんが多いのですが、

娘が特別変わっているとも思えないので、きっと皆同じ考えだと思い、親は諦めない様に話してください」

と、お母様から親御さんへのエールがありました。

私はお母様に、「何歳でも結婚は出来ます！」とエールを送りました。

令和２年９月３日　　長野市民新聞掲載