親元から旅立ち生活
掲載日:2016年1月26日
最近の女性は「親の面倒をみたいから、近くの方を希望します」と言います。
特に30代半ばを過ぎた多くの女性が言うのですが、理由を聞いてみると、親の面倒を見る姉妹がいない
とか、親が高齢になり老後が心配とか、中には親がそばにいると何かと安心で便利と言う女性もいます。
晩婚化で親の老後も心配しなくては結婚できなくなっています。
親御さんのご相談でも、娘さんは近くに嫁いでもらい、娘さんに老後の面倒を見て欲しいと願う親御さん
ばかりです。
いつから親はこんなに弱くなってしまったのでしょうか?
我侭になったのは、子供たちより親の方かも知れません。
確かに、娘が40歳近くまで実家にいると、親も高齢になっているので安心で心強いと思いますが、親子して
自分の家中心に結婚を考えていても、果たしてそれを受け入れてくれる男性はいると思いますか?
35歳を過ぎると結婚率は3%で、40歳を過ぎてしまうと1%ほどになってしまいます。
30代半ばを過ぎてただでさえ結婚が難しいのに、年が近くて安定した職業で、学歴や外見にもこだわり、なお
かつ家が近く自分の親の面倒を見てくれる相手となると、困難極まりないことなのですが、本人や親御さんに
してみると、当たり前の様にそんな条件を並べます。
結婚しても妻が実家に入り浸りで夫婦仲が悪くなったり、夫の親兄弟とは疎遠にしているなどが離婚原因の上位
にランクしています。
実家離れできないと、離婚率は高いのです。
昔の親が、嫁に行ったら娘をあまり実家に来させなかったのは、要するにそれが夫婦円満の秘訣だったからかも
知れません。
何があっても親に泣き付けないから、夫婦で話し合ったり努力したり、我慢することも沢山あったでしょうね。
でも結婚して夫といる時間よりも、実家に居る方が長かったら、夫婦仲良くと言う訳にはいきません。
さらに、夫の親には滅多に会おうとしないことも、離婚原因に大きな影響をもたらしています。
少し前までは、長男だから自分の親の面倒を、夫婦してみるのが当たり前と思っている男性に「結婚したら親が
増えると考えること、そして自分の親を大事にして欲しいなら、まずは女性の親を大事にすること」と、言い続けて
来ました。
男性の親御さんも、長男と言うだけで敬遠されてしまうので、同居はしなくてもよいと、親御さんも意識を変えて
きたのですが、今や以前男性に言っていた言葉を女性ばかりに言い、親御さんにも考え方を変えないと結婚して
も上手く行きませんよと話しています。
子供を守る親から、いつしか子供に守られる親になるのは自然の流れですが、「私の老後はあなたが見てね」と、
子供にお願いする親になってしまうのは、悲しいです。
今よりも子供たちの方が遥かに厳しい老後になるのですから、娘の老後を心配して欲しいものです。
その為には、結婚して夫婦仲良くしてもらう様に親が協力しなくてはいけません。
結婚とは親元から旅立つことです。
実家離れできないと結婚も難しいですし、結婚しても夫婦円満になるのも難しいのです。
娘さんのためにも、もっと強い親でいることが幸せな結婚につながります。
平成26年9月4日 長野市民新聞掲載