親子で話し合いして

掲載日：2021年2月22日

結婚適齢期と言う言葉は死語になってしまいましたが、今一度

年齢と結婚について考えて欲しいと思う事がありました。

２８歳男性と２６歳女性の結婚が決まり報告に来てくれた時、

「新居はアパートですが、今後家族が増える事を考えると、マイホームの

準備も二人で相談しながら幸せな家庭を作っていきます」

と、二人の将来は夢と希望に溢れていました。

結婚したら幸せになる訳ではありません。

そこで

「二人で協力して幸せな家庭を作る努力をする事が幸せな結婚ですよ」

と、最後のアドバイスをして二人を送り出しました。

ちょうどその頃、二人の女性から相談があったのですが、３８歳の女性は

「仕事より優先出来る男性との出会いがあった時には結婚を考えられる」

と言います。

この女性にとって仕事には夢や生き甲斐を感じていますが、結婚は出会い

次第と言う事です。

ではなぜ女性が結婚相談に来たのかと言うと、

仕事をしている中できっとどこかで、結婚を考えられる出会いが自然にあると

思っていたので、特別結婚を意識していませんでした。

しかしそんな出会いは無く、

そろそろ結婚を考える年齢なのかな？

と思い始めたら、婚活するなら時間を掛けずに確実に結婚出来る方法として

相談所を選択したとの事でした。

もう一人の女性は４９歳で、相手に対する希望は、同居や介護の心配が無く

年齢の近い人と言います。

女性はずっと両親との３人暮らしで、

「仕事から帰ってくると疲れてしまい、何もする気になれないので」

と家事は今でもお母さんがしてるそうで、

ご両親は『それで良し』

と思っている事になんとも悲しくなりました。

きっと長年の生活習慣からこれが当たり前になっているのでしょうね。

２０代～３０代で結婚は考えた事は無かったの？と女性に聞いてみると、

「結婚を考える様な場面が全く無く、周りが結婚しても焦る事もなかった」

と言います。

親御さんも有難い事にお元気なので、環境を変える必要が無かった事

も今に至る原因だったのでしょうね。

慣れと言うものは恐ろしいと思います。

ではなぜ女性は結婚を考えたのかと言うと、同じ様な環境の同僚が、

親の介護で仕事を辞めてから、いかに自分が今どんなに大変な状況なのかを、

毎日様に電話で聞かされていました。

そこでやっと、自分にもこの先起こりうる現実が見えた事から、環境を変えようと

女性の重い腰が動いたのです。

どうでしょうか？一口に結婚と言っても、最初の２０代同士の結婚と、

３８歳や４９歳の結婚は違いますよね。

今は婚活しなければ出会いは無いのですから、もしもこの二人の女性が２０代から

結婚を考えて婚活していたら、今とは全く違う結婚観だったと思います。

だから結婚にも適齢期がある事を親子で一度話し合って欲しいです。

長野市民新聞　令和３年２月４日掲載